星々の語り~宇宙&最新技術情報まとめ~

当サイトは、宇宙や最新技術の情報についてまとめています。
海外(主にNASA/ESA関連)の宇宙活動に関する記事(日本語要約あり)を配信しています。



【トップ記事のサマリ】
約40億年前、ガニメデに恐竜絶滅を引き起こした小惑星の20倍の大きさの天体が衝突し、この巨大な衝突がガニメデの回転軸を劇的に変動させたことが最新の研究で明らかになりました。ガニメデは水の存在が示唆される衛星で、科学者たちから長年注目を集めてきましたが、その表面に見られる同心円状の溝は、この衝突の名残とされています。 研究を率いた神戸大学の平田尚之氏は、この衝突がガニメデの内部構造に大きな影響を与えたと述べています。彼のシミュレーションでは、直径約190マイル(約300km)の小惑星が、直径870〜1000マイル(約1400〜1600km)の一時的なクレーターを形成し、この衝撃がガニメデの軸を再配置させたことが示されました。この現象は冥王星でも確認されており、NASAの探査機ニューホライズンズによって明らかにされています。 さらに、ガニメデは地球の海の10倍の深さを持つ可能性のある地下海を持っており、生命の存在が期待されています。ESAのJUICE探査機は2034年にガニメデに到着し、平田氏の研究に関連するさらなるデータを収集する予定です。これにより、ガニメデの進化や巨大衝突の影響について新たな洞察が得られることが期待されています。 【恐竜絶滅の20倍規模の衝突でガニメデの軸が変動】の続きを読む



【トップ記事のサマリ】
NaNotics LLCが、宇宙空間での病気治療を目指す「SPACE-H Accelerator」に選出されました。このプログラムはNASAやMicrosoftなどが共同で運営し、長期宇宙探査に伴う健康リスクを最小化する革新的な医療技術を支援するものです。NaNoticsは血液中の病原分子を除去する新しいナノ粒子「NaNots®」を開発。これにより、がんや炎症性疾患を抑える効果が確認されています。特に、重篤な乳がんモデルやサイトカインストームに対する有効性が証明され、宇宙でも簡単な注射で使用できるため、未来の宇宙探査計画での応用が期待されています。NaNoticsの技術は、地球上の病気治療とともに、宇宙における健康管理の革新を目指しています。 【NaNoticsがNASAのSPACE-Hで宇宙医療研究に挑戦】の続きを読む



【トップ記事のサマリ】
NASAのArtemis計画は、宇宙飛行士を月に送り、将来的な深宇宙探査を目指しています。この計画の重要な要素が、月周回軌道に配置される宇宙ステーション「Gateway」です。Maxar Space Systemsが製造しているPower and Propulsion Element(PPE)は、Gatewayに電力、推進力、姿勢制御、通信機能を提供する重要なモジュールで、革新的なソーラー電力推進技術を採用しています。PPEは太陽光を利用して推進力を得るため、従来の化学推進システムに比べて燃料効率が5倍も向上します。 PPEは、Maxarの信頼ある1300シリーズバスを基に設計されており、48kW以上の電力を供給します。Maxar 1300シリーズは、通信衛星やNASAの「Psyche」ミッションなどで広く活用されている柔軟性の高いプラットフォームです。PPEは、月周回軌道において通信ハブとしても機能し、月面、地球、宇宙ステーション間での高帯域通信を可能にします。 2024年にはPPEの設計審査が完了し、推進装置のハードウェア統合が進んでいます。今後、2025年中頃までにすべてのシステムが統合され、Artemis計画に向けた準備が加速します。PPEは、NASAの月探査の基盤として、持続可能な宇宙探査の道を切り開く重要な技術です。 【マクサーの太陽光発電PPEがアルテミス・ゲートウェイを牽引】の続きを読む



【トップ記事のサマリ】
NASAのArtemis IIIミッションでは、3種の地球植物が月面で栽培される実験が行われます。マスタードクレス、ブラシカ、そしてウキクサの3つが選ばれ、LEAFプロジェクトの一環として、成長チャンバー内で月面の重力や放射線に晒されます。この実験の主な目的は、月の厳しい放射線が植物の成長にどのような影響を与えるかを調べることです。植物が放射線から自身を守る物質を作り出すと予想され、帰還後にその遺伝的変化を研究します。ウキクサは水中で根を必要とせず、栄養価も高いため、宇宙環境に最適な候補です。植物は出発前に発芽し、一部は地球に持ち帰られ、残りは月面に残されてモニタリングされます。寒さで枯れるまで観察されますが、この実験が成功すれば、将来的に月での農業が現実のものとなるかもしれません。 【月で植物は育つのか?LEAFプロジェクトが挑戦】の続きを読む



【トップ記事のサマリ(全訳を読みたい方は本記事の続きへ)】
彗星Tsuchinshan-Atlas(C/2023 A3)は、太陽に最接近し地球に近づく明るい彗星です。観測は今すぐ夜明け前の東の空で可能で、10月中旬にはさらに明るくなり、肉眼でも見えるかもしれません。Tsuchinshan-Atlasは中国の紫金山天文台とATLASシステムによって2023年に発見されて以来、観測が続けられています。この彗星は急激に明るくなっており、楽観的な予測では月以外の天体よりも明るくなるとされていますが、実際の明るさはまだ予測が困難です。

9月27日頃には太陽に最接近し、10月10日以降は日没後の西の空で再び姿を現す見込みです。観測には双眼鏡や望遠鏡が有効で、光害の少ない場所が理想的です。特に10月12日頃、地球に最接近する際には、彗星の美しい尾が広がる可能性があり、最も注目されるタイミングです。

彗星は太陽系形成の名残であり、氷と岩石でできた天体です。Tsuchinshan-Atlasも太陽系外縁部のオールト雲からやってきた可能性があり、今後数万年の軌道を描くか、太陽系を離れて二度と戻らないかもしれません。

【彗星Tsuchinshan-Atlasの観測ガイド:いつどこで見える?】の続きを読む

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