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1969年、アポロ11号が月に到達し、ケネディ大統領が掲げた目標を達成しました。しかし、その後の宇宙計画には明確なビジョンがなく、ニクソン大統領は宇宙タスクグループ(STG)を設立して、アポロ後の方針を検討するよう指示しました。STGは月面基地や火星有人探査、地球軌道ステーションの開発など、野心的な計画を提案しましたが、コストが高く、ニクソンは最終的にこれらの提案を実行しませんでした。 1969年9月、STGは「アポロ後の宇宙計画」報告書をニクソンに提出し、3つの選択肢を提示しました。選択肢Ⅰは火星探査を1980年代に実施するための予算倍増を求め、選択肢ⅡとⅢは宇宙ステーションの開発を優先しつつ、火星探査は延期または無期限に先送りするものでした。最終的にニクソンはこれらの選択肢を採用せず、スペースシャトルの開発だけが承認されました。 この決定により、アポロ計画の残りの月探査ミッションの一部が予算削減で中止され、NASAはスペースシャトルの開発に集中しました。1972年にスペースシャトル計画が正式に開始され、1981年に初飛行が成功。さらに、1984年にはレーガン大統領が宇宙ステーションの建設を承認し、国際宇宙ステーション(ISS)として実現しました。ISSは現在も科学研究の拠点として活用されており、月や火星への次なるステップへの基盤を築いています。 【アポロ後の宇宙計画:ニクソン大統領への提案から55年】の続きを読む