星々の語り~宇宙&最新技術情報まとめ~

当サイトは、宇宙や最新技術の情報についてまとめています。
海外(主にNASA/ESA関連)の宇宙活動に関する記事(日本語要約あり)を配信しています。

環境



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ヨーロッパの科学者チームが、量子技術を駆使して加速度を高精度に測定する新しい宇宙センサーを開発中です。この研究は、地球の重力場の微妙な変化を追跡する未来の宇宙ミッションに向けた重要な一歩であり、氷河の融解や海面上昇、地下水レベルの変動をより正確に測定するツールを提供します。CARIOQAプロジェクトは、量子加速度計を搭載した衛星を打ち上げ、従来の重力マッピング手法を超える「高解像度」の地球重力地図を生成することを目指しています。 この量子加速度計は、冷却された原子の波動性を利用する「冷却原子干渉法(CAI)」を用いて、非常に精密な重力測定を行います。この技術により、従来のセンサーでは捉えられなかった細かい地球の変動が「クリアなHD画面のように」見えるようになると、プロジェクトコーディネーターのクリスティーヌ・ファレ氏は述べています。CARIOQAは、2027年までに世界初の量子加速度計の打ち上げを目指しており、ヨーロッパを量子宇宙技術のリーダーとして位置づけることを目指しています。 【量子センサーで気候変動と戦う:CARIOQAプロジェクトの挑戦】の続きを読む



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太陽から放出される太陽風は、一定の風ではなく、乱流を伴う変動的な流れであることが知られています。新たに公開された映像では、この乱流が太陽の大気であるコロナ内からすでに発生していることが確認されました。ESAの太陽観測ミッション「Solar Orbiter」のMetisコロナグラフが、2022年10月12日に撮影した高解像度のデータから、太陽風がコロナ内で小さな乱れを起こし、それが拡大して乱流を生み出す過程が明らかにされました。
Metisは、太陽の直接光を遮断し、コロナからの淡い可視光や紫外線を捉えることで、この詳細な観測を実現しました。この発見は、太陽風の乱流がどのように発生し、太陽系を通過しながらどのように惑星や月の磁場と相互作用するかを理解するための重要な一歩です。また、宇宙天気予測の向上にも寄与するものです。今回の研究成果は、「Astrophysical Journal Letters」に発表されました。 【太陽コロナでの乱流発生を確認】の続きを読む



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ペンシルベニア州立大学の研究チームが、廃熱をクリーンエネルギーに変換する熱電材料の効率を大幅に向上させることに成功しました。この新技術により、熱電変換効率が現行の5~6%から15%に向上し、デバイスのサイズを縮小しても同等のエネルギーが得られるようになります。この技術は、NASAの宇宙探査機で使用されているラジオアイソトープ熱電発電機(RTG)にも応用できる可能性があり、宇宙探査の進展にも貢献すると期待されています。

研究チームは、従来のハーフホイスラー合金を改良し、高エントロピー材料を使用することで性能を強化。5つ以上の元素から構成される高エントロピー合金は、材料内の原子構造をより無秩序にし、熱伝導率を低下させながら、電力変換効率を高めます。この新材料は、従来の最先端材料に比べて50%向上した記録的な熱電性能を達成しました。

今回の技術は、産業界における廃熱回収にも有用で、化石燃料の消費削減に貢献するとともに、将来的には変換効率20%の達成も視野に入れています。これは、太陽光エネルギーに匹敵するクリーンエネルギー技術となる可能性があり、持続可能なエネルギー開発に大きな影響を与えると期待されています。

【廃熱を緑エネルギーへ、熱電変換効率を飛躍的に向上】の続きを読む

ブラウン大学のサムネイル
ブラウン大学(英語: Brown University)は、アメリカ合衆国ロードアイランド州のプロビデンスに本部を置く私立大学。アイビー・リーグを構成する伝統的な名門校の一つ。 1764年に英国植民地のプロビデンス・プランテーションにカレッジとして創設された全米最古の大学
28キロバイト (2,962 語) - 2024年9月22日 (日) 13:50

【トップ記事(海外)のサマリ】
ブラウン大学の学生チームが、僅か$10,000という低予算で3Uキューブサット「SBUDNIC」を開発し、2024年のGizmodo Science Fairで注目を集めました。チームは、市販の部品と3Dプリント技術を活用してわずか1年で衛星を完成させ、SpaceXのFalcon 9ロケットで2022年5月に打ち上げました。SBUDNICは、AA電池、Arduino、カプトンテープ、アマチュア無線などの簡易な素材で作られ、コスト効率の高い宇宙アクセスを実現しました。

SBUDNICは445日間のミッションで、高度323マイル(520km)での軌道制御に成功。特に注目されたのは、$40のドラッグセイルを使用して、通常25年以上かかる再突入時間を大幅に短縮した点です。SBUDNICは2023年8月に大気圏に再突入し、宇宙ゴミの削減に貢献しました。このプロジェクトは、手軽に宇宙を目指す道を開き、オープンソースでのデザイン公開も行っています。今後、データの公開や学校での講演活動が計画されています。

【学生チームが低予算で衛星開発、宇宙探索の新時代へ】の続きを読む

欧州宇宙機関のサムネイル
欧州宇宙機関 (ESAからのリダイレクト)
欧州宇宙機関(おうしゅううちゅうきかん、仏: Agence spatiale européenne, ASE、英: European Space Agency, ESA)は、1975年5月30日にヨーロッパ各国が共同で設立した、宇宙開発・研究機関である。設立参加国は当初10か国、現在は22か国が参加し、2000人を超えるスタッフがいる。…
17キロバイト (1,982 語) - 2024年8月24日 (土) 23:53

【トップ記事(海外)のサマリ】
欧州宇宙機関(ESA)は、衛星の再突入時の詳細データを収集する「Dracoミッション」を2027年に打ち上げる予定です。Dracoは、破壊的な再突入を経た衛星の内部からデータを収集し、軌道上で解体されるプロセスを観測します。このミッションは、衛星やロケットの破片が地球の大気圏に再突入する際に何が起こるのかを解明するために設計されており、再突入時に発生する高温や圧力、機体のストレスなどを観測する予定です。

ESAは「ゼロデブリ」戦略を掲げ、2030年までに宇宙ゴミの発生を抑えることを目指しており、Dracoのデータは将来の「設計上での解体」技術の開発に役立つと期待されています。特に、衛星が再突入時にどのように燃え尽き、大気に与える影響についての理解を深めることが重要視されています。従来の風洞実験やコンピュータシミュレーションでは再現が困難な、実際の宇宙での極端な条件を再現するために、今回のミッションは大きな価値を持つとされています。

Dracoは約200kgの小型衛星で、搭載されたカプセルは再突入時の激しい破壊に耐えながらデータを収集し、パラシュートを展開して地球に戻ります。地球帰還後は、約20分間の短いウィンドウでデータを送信し、最終的には海に着水する予定です。このミッションは、将来的な宇宙安全技術の飛躍的な進展を促進すると期待されています。

【ESAのDracoミッション、衛星再突入の謎に挑む】の続きを読む

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