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新たな研究により、暗黒物質の崩壊が初期宇宙でブラックホールを超巨大サイズに成長させる一因になった可能性が示唆されています。ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)の観測により、宇宙誕生からわずか5億年後に超巨大ブラックホールが存在することが確認され、これは従来の理論では説明が困難でした。通常、ブラックホールがこの規模に成長するには10億年はかかると考えられています。 UCLAのアレクサンダー・クゼンコ氏らの研究チームは、暗黒物質の崩壊から生じる放射線が、ガス雲の崩壊を促進し、超巨大ブラックホールの形成を助けた可能性があると提唱しています。暗黒物質は光とほとんど相互作用しないため不可視ですが、その崩壊によって放射線が発生し、ガス雲の冷却を妨げることで、巨大なガス塊が一気にブラックホールに崩壊するというメカニズムが示されています。 この研究が正しければ、暗黒物質自体の性質、特にその粒子の質量や崩壊速度に関する新たな手がかりとなる可能性があります。 【暗黒物質が初期宇宙で超巨大ブラックホールの成長を助けた可能性】の続きを読む